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インフルエンザのお話

インフルエンザのお話

第2回学校保健委員会

平成28年12月1日(木)に、本校体育館において第2回学校保健委員会を開催しました。6年生児童76名とPTA役員を含む保護者19名、本校職員13名が参加して行いました。はじめに、養護教諭より本校でよく見られる感染症についての報告があ りました。もっとも多い出席停止の感染症はインフルエンザです。インフルエンザの流行する時期は、グラフの通りです。今冬は、すでに4件発生しています。

第2回学校保健委員会       

次に、本校の学校医の田中明隆先生より、「インフルエンザのお話」を聞きました。毎年、6年生向けに健康に関するお話をしていただいています。毎年流行するインフルエンザだけでなく、最近話題にあがる鳥インフルエンザ等、インフルエンザの種類についても、分かりやすく教えていただきました。

   

田中先生のお話「インフルエンザのお話」<インフルエンザのことを知って、対策を立てよう>

  • 毎年インフルエンザは、小学校での流行から広がる。
    インフルエンザウィルスの好きなものは、寒いところ、乾燥した空気、弱っている人。
    人の体の中で増えるため、人がたくさんいる場所でうつりやすい。特に、教室内は感染しやすい。
  • 第2回学校保健委員会<ウィルスと細菌の違い>
  • 病気を引き起こすもととなる病原性微生物はウィルスと細菌がある。
    ウィルスと細菌の違いは、大きさ・治療法・何回もかかるかどうかの3つ。
  • 細菌の大きさは、ウィルスを人に例えると、地球くらいの大きさになる。
    そのため、発見は細菌の方が早く、ウィルスが見つかったのは最近である。昔は、ウィルスの存在を知らなかったため、まちがって「インフルエンザ菌」と名付けられた細菌もある。今でも、インフルエンザを引き起こすインフルエンザウィルスと、別物の「インフルエンザ菌」が引き起こす病気がある。
  • ウィルスによる病気は、はしか・風しん・おたふくかぜ・日本脳炎・水痘など、一度かかればもうかからな いが、インフルエンザやかぜのウィルスは種類が多いため、何度もかかる。
  • 細菌には、抗生剤が効くが、ウィルスには効かない。

  • <インフルエンザの型や種類>
  • インフルエンザウィルスの型は、A、B、Cの3つあるが、流行するのは、Aと B。こわいのは、Aで脳症や肺炎を引き起こし、死ぬことがある。
  • これまで世界的に大流行したのは、1918年のスペインかぜ(H1N1型)、1957年のアジアかぜ(H2N2型)、1968年の香港かぜ(H3N2)で、多くの死者が出た。2003年の新型インフルエンザ(H1N109)は、かかったのは 90%が子どもだった。
  • 人がかかるインフルエンザは、H1・H2・H3と N1・N2の組み合わせで6種類。
  • 鳥インフルエンザは、これまでに2つの型が人に感染した。2003年 H5N1で、この型は鳥に症状が出たので、処分できた。2013年のH7N9は、鳥に症状が出にくいので、対処が困難。かかると致死率20%。現在人に感染が確認されているのは、ほとんどが中国で、その他は香港、台湾、カナダ、マレーシア。

  • <インフルエンザワクチンは、打った方がいいの?>
  • インフルエンザワクチンを接種しても、インフルエンザにかかる。効果は、かかった時に軽症ですむ可能性が高いこと。予防接種を打ち続けると、かかりにくくなると思う。今は、インフルエンザによる死亡率は、 集団接種をしていた時代より高い。ワクチンの副作用(毎年10人くらい死亡)とインフルエンザ脳症(2000人弱死亡)はどちらの危険性も考えて、選択してほしい。

  • <インフルエンザにかからないためには>
  • インフルエンザにかからないためには、免疫力をアップして、病気にかかりにくい体にしておくこと。そのためには、いい食事が大切。ファーストフードや、インスタント食品ではなく、野菜や大豆、海草、魚、肉などビタミンやタンパク質をしっかり摂りたい。しかし、食べ過ぎはよくないので、腹八分がいい。これは、ノロウィルスの胃腸かぜにも同様で、食べ過ぎると胃の中にある胃酸で菌を消せなくなってしまう。
  • インフルエンザウィルスは、アルコール消毒が効くが、ノロウィルスには十分ではない。吐物には、次亜塩素のハイターなどで消毒する。
  • 体が健康だと病気にかかりにくい。健康かどうかは、「毎朝、いい便がしっかり出るか」で分かる。
  • 毎日病気の人の診察をしているが、インフルエンザにかかったことがない。マスクは着けていないが、1人の診察ごとに手をしっかり洗っている。指先や、指の間なども念入りに。マスクは、自分がかかっている時はうつさないために、必ずした方がいい。口の中には、いちばん菌がいるので、うがいもした方がいい。

 

<児童の感想より>
  • 鳥インフルエンザは免疫がないから、日本国民全員にうつるかも知れないので、早く免疫がつくられるといいなと思いました。インフルエンザは小学生から、世の中に広がると知ったので、周りの人のためにも、かぜ気味だと思ったらマスクをしたいと思いました。
  • ワクチンを打っているけど、あまり発症率は変わらないと聞いたので、魚・肉・海草・きのこ・大豆など、体にいい栄養をとって予防したいです。
  • 田中先生のお話を聞いて、「鳥インフルエンザ」がこわいと思いまし た。その理由は、H7N9 というウィルスに人間がかかると20パーセントが死んでしまうし、鳥に症状が現われないからです。
  • 私は、毎年予防接種を打つのにインフルエンザにかかってしまいます。「なぜ?」と疑問に思っていましたが、お話を聞いて、予防接種の効果がわかりました。絶対にかからないわけではないけど、軽くすませることができます。だから、予防接種はとても大切だと思いました。
参加した保護者の感想より
  • インフルエンザに対して軽く考えていたことを反省しました。まずは、かからない体づ くりを心がけたいと思います。
  • インフルエンザにかからない体、かかりにく体、家族のためにがんばって食事にも気を付けたいです。
  • 健康の基準がとてもよく分かりました。食事はバランスよく、しっかり腹八分を心がけます。

 

2017-02-13 12:34:00

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